リビングデザインセンターOZONEには建材、家具、住宅設備など住関連に関わる約30のショールームが集まっています。また、お客様一人ひとりに合わせた家づくりをご提案するサービス「OZONE家design」 では、経験と実績、デザイン力を備えた建築家を住まいづくりのパートナーとしてご紹介しています。
「OZONE家design」登録建築家 がOZONEのショールームの商材を実際に採用した物件をご紹介する本コラム。今回は、「Kitani 東京ショールーム」のダイニングセットが採用された東京都内のリノベーション住宅をご紹介します。
―耐震補強のご相談から大規模リノベーションへ
子世帯家族と同居するため、70代のご主人が暮らす家をリノベーションした東京都内の物件。設計を担当したのは赤沼修さん(OZONE家design登録建築家:赤沼修設計事務所) です。
赤沼
当初は耐震補強のご相談から始まり子世帯同居の可能性もあるとのことで、全面建て替えも含めて様々なプランを検討した結果、新築よりもコストを抑えられるリノベーションに落ち着きました。
耐震補強と断熱改修、子世帯との新しい生活に適したプランにするため、内部はほぼ解体に近いくらい手が入れられています。
耐震補強は区の補助金を利用して実施。床下で土のままだった部分は新たにコンクリートを打ち、さらに床暖房を一新しています。2階は主に子世帯家族のための空間とし、主寝室や在宅の仕事部屋、小分けだった個室はつなげてお孫さんの成長に合わせて多目的に仕切ることもできるようにしています。また、既存サッシで活かせる窓には、インナーサッシを入れて断熱を強化し、さらに新しく入れたサッシは断熱防火タイプにしています。従来の設備を活用しながら、変えるべきところは大胆にリノベーションする、そのバランスを注意深く検討しました。このプランの中心になったのが、1階のご主人と子世帯家族が共有する生活空間でした。
―1階への生活機能の集約
今回リノベーションの大きな目標は、「ご主人の生活が1階ですべて完結するようにすること、子世帯家族との新しい生活を安全で快適に過ごせるようにすることでした」。2階のご主人の旧寝室を1階の旧キッチンの場所へ移動し、旧リビングの場所へ、新たに対面式キッチンを造るという水回りの大移動を行っています。一家の中心としてダイニングとリビングを一つにまとめ、低座のダイニングセットにより食卓とくつろぎの場を兼用できる設えが提案されました。造り付けデスクの書斎コーナーも備え、寝室とトイレ・浴室もすぐ近くにしているので、ご主人が毎日階段の昇り降りをせずとも、すぐ寝起きができるように設計されています。
そして、ダイニングとリビングを一つにまとめた空間に必要な低座型の椅子・テーブル・ソファは、「Kitani 東京ショールーム」の商品から選ばれました。
赤沼 低座の椅子はなかなか貴重なので、いつも気を付けて探しているのですが、OZONEに行ったときKitaniさんのショールームで見つけて頭の隅に入れていました。施主さんへの提案のときには、Kitaniさん提供のイメージ写真をお持ちして気に入ってもらえましたし、最終的に採用を決める時には、施主さんもKitani 東京ショールームに行って椅子の生地サンプルを見たりしていますよ。私の設計内容とのデザイン的な相性もよかったと感じています。
IE-01(Eiri Iwakura)
低めの座面設定で脚が床にしっかりと着きゆったりと過ごせます。座面が幅広で、座りの自由度が高く正座をしたり、あぐらをかいたりとルーズな座り方も可能です。ダイニングとして、ラウンジスタイルとしてもお使いいただける北欧スタイルのチェア。
・サイズ(mm)
W660×D540×H715 SH405 AH640
・価格(税込)
¥102,300~133,100
ZR-150DT(Zirkus)
150cm幅のリビングダイニングテーブルです。天板は30mmの無垢材を使用。高さは660mmと低めに設定しました。「ZR-04L/04R ソファ」「ZR-05 ソファ」と組み合わせていただきますと、リビングとダイニングの要素をひとつにした、くつろぎの空間を作り出します。
・サイズ(mm)
W1500×D840×H660
・価格(税込)
¥331,100
ZR-04L(Zirkus)
キタニのNOOKStyle(ヌックスタイル)は、リビングとダイニングの要素をひとつにし、くつろぎの空間を作り出すリビングダイニングソファです。座面が低めに設定された2人掛けソファは、ダイニングに適した固めのシートとたっぷりとした奥行で、お食事の後もあぐらをかいたり、寝転がることができます。
・サイズ(mm)
W1540×D710×H705 SH420
・価格(税込)
¥281,600〜699,600
―食卓とくつろぎの場を兼用できるキタニの低座型ダイニングセット
ベンチ型のソファ「ZR-04L」はひじ掛けが片方だけにあるL字タイプ。意外にもコンパクト、かつ、後ろ側から見てもおかしくないデザインなので背面を必ずしも壁に沿わせる必要がありません。テーブルとソファを90度横に向けても、十分使える部屋のサイズを確保して、フレキシブルな使い方にも対応できるようにしたとのこと。
赤沼 普通の高さのダイニングテーブルだと、その場でくつろぐという感覚になかなかならないんです。1階全体はワンルーム的な感覚で使えるように、扉はすべて引き戸にして、開ければ空間が広くつながるようにもしています。そこにダイニングの高さのテーブルがあると、食事をするだけの場所として空間を占有してしまう。それを避けて、そのままテレビを見たりしてのんびりできるような場にするために、低座の椅子・テーブルを選びました。ソファをベンチ型にしたのも、横になったりすることもできるようにするためです。
思い切ったリノベーションにより、明るく、広くなった家で、小さなお子さんのいる若いご家族と暮らす新たな生活をスタートしたご主人。その長年の趣味は蜜柑の樹を育てること。くつろぎのダイニングから望む南側の庭には、ご主人が手塩にかけて育てた数十種類の蜜柑の樹が、日差しの中で揺れています。
物件写真撮影/吉田 香代子
※2023年3月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。
OZONE家design 登録建築家 赤沼 修
赤沼修建築設計事務所
事務所を開設して20年になりました。 事務所はごく普通の住宅街にあり、独立以来職住一体で、子供達の成長や母の介護など様々な世代の生活変化を身近で感じられた事は、住宅設計者の私にとってあらゆる意味で良い環境だったと思います。 一つ一つ住む人の目線に立って思考し、時を経ても愛される家を誠実につくりたいと考え、日々仕事に取り組んでいます。
(※)OZONE家design 登録建築家とは
お客様の理想の家づくりを第三者の立場からサポートする「OZONE家design」では、OZONE独自の登録基準を満たした建築家をお客様の住まいづくりをお手伝いするパートナー会社としてご紹介しています。