リビングデザインセンターOZONEには建材、家具、住宅設備など住関連に関わる約30のショールームが集まっています。また、お客様一人ひとりに合わせた家づくりをご提案するサービス「OZONE家design」 では、経験と実績、デザイン力を備えた建築家を住まいづくりのパートナーとしてご紹介しています。

「OZONE家design」登録建築家 がOZONEのショールームの商材を実際に採用した物件をご紹介する本コラム。今回は、「SWANTILE東京ショールーム」の内装床タイル「レジェロ」が採用された東京都のリノベーション住宅をご紹介します。

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1階ダイニングからリビングを望む。SWANTILE「レジェロ」が使われているのは右手のキッチンの奥。壁面にはご家族の要望でボルダリングのホールドが設置されている。

―「減築」によって、より豊かな空間へと再生させるリノベーション

「ヒキザン ノ イエ」と題された築28年の戸建て住宅をリノベーションした物件。設計を担当したのは「OZONE家design」登録建築家:H2DO一級建築士事務所の久保和樹さん です。施主はお子さんが3人いるご家族。久保さんの事務所が主催している「いえづくりワークショップ」に参加され、現状の図面を元に、具体的にどう改修できるか検討を重ねました。その結果、まずは予算的に大きなボリュームを占めるオーダーキッチンを優先的に考え、他の部分とうまく調整しながら予算配分を決定していくことになりました。

久保 昔の住宅って、基本的に床面積を十分にとって、小分けの部屋を多く取る発想でつくられている場合が多いですよね。このお宅もそもそもは施主さんのお父さんが建てた家で、2階に個室が多く、1階もキッチン、リビング、畳の和室などが小分けになっていました。その間取りを見直し、壁を取って部屋をつなげています。また、2階もひと部屋分の床を抜き、1階ダイニングからつながる吹き抜けにしました。部屋数や延床面積は減っていますが、キッチンに居ても2階のお子さんの気配を感じられるような、上下のつながりをつくり出すことを考えています。パートナーの構造計算事務所に解体の時点から現場を見てもらい、構造的に危険にならないように十分配慮しつつ床や壁を減らし、より豊かな空間にする「減築」という考え方が、このリノベーションのテーマでした。

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2階のひと部屋分の床をあえて抜き、1階ダイニングからつながる吹き抜けに。

―室内を明るく広く見せるタイルをキッチンの床に

奥様から、3人の小さいお子さんは落書きが好きという話があり、汚れに強い床材の要望があったそうです。そこで久保さんが思い出したのが、超よごれ防止機能付きタイル「らくらくり~ん」 。以前、OZONEの「SWANTILE 東京ショールーム」で目にしたタイルでした。施主さんご家族をOZONEにお連れして、油性マジックの汚れが水だけで落ちるデモンストレーションを実際に体験し、大いに驚かれたとか。このことをきっかけにタイルへの興味が高まったそうです。最終的に内装床用タイル「レジェロ」を選び、キッチンや洗面所などの水回りの床に採用することになりました。

久保 キッチンは奥様のご希望に沿ったオーダーキッチンで、シンク側とコンロ側とを分けた垂直配置のセパレートでレイアウトしています。シンク側はリビングとの対面式にして、周りには広めの作業スペースを取っています。ご家族で一緒に料理をしたりするための場所を大事にしたい、また同時に、お子さんを火に近づけたくない……という奥様からのご希望を考慮した設計です。SWANTILEさんの「レジェロ」の床タイルは、シンクからコンロにかけての奥の部分に敷設しています。また、同じく水回りの洗面所の床にも使用しています。

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シンクとコンロを分け、直角に分割配置した特徴的なレイアウト。そのキッチン内側の床に「レジェロ」が使用されている。

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キッチン同様、「レジェロ」を敷設してある洗面所の床。

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SWANTILE 内装床タイル「レジェロ」

明るい色で室内を広く見せる演出ができ、さらに空間全体も明るくしてくれるベーシックな床タイル。超よごれ防止機能により、清潔感を保つことができます。※外床用のみ
・[内床]300角平タイプ 6色
・サイズ(mm)
実寸法294×294 目地共⼨法300×300
・価格(税込)
¥5,500円/m²

―快適、かつ長く効率的に住めるいえづくりとは

H2DO一級建築士事務所では「いえづくりワークショップ」や「DIY施工」を推奨されているそうですが。

久保 「いえづくりワークショップ」は、ご家族自身に家のコンセプトや間取り、模型をつくってもらうワークショップです。”いえキット”という専用のツールを使うことで、一般の方でも家の間取や模型を簡単につくることができます。理想のいえづくりを自由に考えてみたい方や、実際に土地購入を検討している方、中古物件を所有している方等、これまで多くの方に参加して頂いています。DIY施工は、やはり塗料を塗る工程に参加していただくことが多いですが、まずは「いえづくりワークショップ」に参加していただき、どこにどの程度、DIYでの施工が可能かどうかを考えてもらうところから始めてもらっています。

さらに久保さんは、住宅建築に対する基本姿勢として「時間軸を考慮した設計」を掲げていらっしゃいますが、これはどういう考え方なのでしょうか?

久保 住宅には長い時間軸と短い時間軸があると考えています。可動の家具や間仕切りを上手に使うことでフレキシブルに空間を活かせるようにしておくことが「短い時間軸」への意識。短期のイベントや季節の変化に対応できる、日本の襖(ふすま)のようなイメージですね。「長い時間軸」については、ハウスライフプランと呼んでいて、数十年先の家の使い方を予め想定しておくことを意味します。若いご夫婦が家を建てる時、どうしても目の前の子育ての期間のことにばかり目が行ってしまうことが多くて、一生で一番高い買い物なのに、数十年後のことを考える余裕がない方がほとんどです。そもそも自分が建てたその家に一生住み続けるのか、いずれ売ったり、貸したりする可能性があるのか…… 予めそういう想定をしておけば、その時期が来たときに有利に改修ができるような家を建てておくことだってできるわけです。そのためにスケルトンとインフィル、つまり構造と内装を分けて考えておく必要があります。そこまで考えて家を建てないともったいないですよ……と、「いえづくりワークショップ」のときにも皆さんにお話ししています。

漠然としたご家族の要望をワークショップによって「見える化」し、「長い時間軸」を見据えた上で、元の家にはなかった新たな価値を生み出すリノベーションを提案する久保さん。「減築」=引き算することによって空間をより豊かにすることを目指すという、逆転の発想が光ります。

物件写真撮影/H2DO
※2023年3月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。

OZONE家design 登録建築家 久保 和樹

H2DO一級建築士事務所

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クライアントの個性や価値感、ライフスタイルなど、目に見えないものを時間をかけて丁寧に、クライアントと共に空間にしていきます。弊社設計の特徴は以下の5つです。
・クライアント参加型(WSやDIY施工)のいえづくり
・住環境シミュレーションによるパッシブハウスのいえづくり
・時間軸(長期・短期)を考慮したいえづくり
・BIMによる、いつでも3D空間を共有できるいえづくり
・建築・内装・家具をトータルデザインした、統一感のあるいえづくり

(※)OZONE家design 登録建築家とは

お客様の理想の家づくりを第三者の立場からサポートする「OZONE家design」では、OZONE独自の登録基準を満たした建築家をお客様の住まいづくりをお手伝いするパートナーとしてご紹介しています。

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SWANTILE東京ショールーム

館内ショールーム

さまざまなシーンに適した、お客様の望むタイルをタイルコンシェルジュがご紹介いたします。外装・内装の壁・床用のタイルをすべて現物にてご用意しており、住宅から店舗向けまで幅広く対応しています。また超よごれ防止機能付きタイル「らくらくり〜ん」の汚れ落ちの良さを実際に試していただけるコーナーも設置しております。