2021年から、設計・施工のプロフェッショナルを対象に館内ショールームの製品をお試しいただく 『モニター企画』を実施し、多くの設計者にエントリーいただきました。ここでは、採用された施工事例をご紹介しています。
『モニター企画』の詳細はこちら(※募集は終了しています)

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2021年秋に竣工した世田谷区の3階建ての個人住宅。ARUNAiのモニター商品である無垢材ダイニングセット【CHIME(チャイム)】は、このお宅に採用されました。小さいお子さんを含む家族四人が暮らすこの家のなかで、団欒の中心である「食卓」となった【CHIME】は、どのような使われ方をしているのでしょうか。家の設計を担当したシーズ・アーキスタディオの白崎泰弘さん・白崎治代さん、そして施主の寺西さんと奥様の顕子さんに、このお宅と【CHIME】の魅力についてお話いただきました。

―この家を建てるにあたっての理想のイメージやこだわりは、どのようなものだったのでしょうか。

寺西さん
まず大前提として広々とした空間が欲しかったんです。そのために2階のリビング・ダイニング部分を家の中心にしたいと考えていました。子どももまだ小さいので、3階の子ども部屋に籠るというよりはいつもリビング周りで遊んでいるような状態ですし。家族が集まり、一番長い時間を過ごす場所として、2階の空間を快適に広々と使いたいという思いがありました。あとはリビングの上は吹き抜けにして、天井の高い、開放的な雰囲気にしたいとも思っていました。

―そうした施主さんのご要望を受け、設計者としてどのようなプランを提案されたのでしょうか。

泰弘さん
当初、屋根に斜線制限がかかる北側を吹き抜けにして直進的な階段とスキップフロアを組み合わせた案と、折り返し階段を家の中心にしてスキップフロアを周りに配置した回遊性のある案の2つを提案させて頂きました。家族会議の結果、回遊性が決め手となって後者で進めることになりました。
この2階フロアは実際に、セカンドリビング→リビング→ダイニング→キッチン→パントリー……と、ぐるっと一周回れる間取りになっています。コロナ禍以降、ご主人の在宅ワークも含めて家族が2階に集っていることをイメージし、ダイニングが家族の中心、扇の要と考えて、ダイニングテーブルに座りながら、2階全体を見渡すことができるようにと設計しました。
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左:ダイニングから広々とした2階全体を見渡すことができる。
右:2階部分の平面図(★印から撮影)

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ダイニングから広々とした2階全体を見渡すことができる。

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2階部分の平面図(★印から撮影)

治代さん
北側のセカンドリビングは書斎や読書向きの静かな空間、南側のメインのリビングは体を動かすゲームなどもできる活動的な場所として性格を分けています。それを壁ではなく、スキップフロアの段差で緩やかにつなぐことで、機能を柔らかく分けながら、広さや視線の通りを確保することを考えました。
寺西さん
以前住んでいた住宅もスキップフロアで構成されていて、開放感があり、どこにいても家族の気配を感じられたので、今度もスキップフロアがいいなと感じていました。ただし、以前の家はとても寒くて困ったんですよね。暖房もあまり効かなくて。ですので、温度や空気の快適性も大事にしたいと思っていました。シーズさんはそこもしっかりと工夫してくださって。
泰弘さん
空気を動かすルートを夏用と冬用の二通り用意しました。冬用には上の暖かい空気を下に降ろすダクトを配置し、夏用には3階のトップライトの近くに排気用のファンを設置してあります。大がかりな空調設備を使うことなく、ファンのON/OFFだけで夏冬の切り替えができるようにしました。これで吹き抜けやスキップフロアを含む2階の開放性と、快適な温熱環境を両立させています。

―リビングとダイニングの間には、格子状の飾り棚が造り付けてありますが、これはどのような経緯からできたものなのでしょうか?

顕子さん
造り付けの家具を組み込んでもらうほうが、大きな家具を購入して持つよりも身軽で済むなぁ と思っていたので。
寺西さん
それに、自分のインテリアセンスに自信がないので、あらかじめ作ってもらっておけば周りとも調和しますしね。
泰弘さん
最初はセカンドリビングと階段の間で提案していた飾り棚のデザインがきっかけとなりました。最初の提案では、ダイニングが生活の中心なので、収納重視のサイドボードで、見渡しを遮らないよう腰の高さとしていました。設計の終盤で、収納重視より、セカンドリビングの飾り棚のように、浮遊感のあるような作り方で「向こうを透かして見る」ことができたら……という要望がでて、それに応えて変更したものです。
これだけ広い部屋だとただ茫洋とした空間になってしまいがちなので、とても良いアクセントになったと思います。
顕子さん
いざ住み始めたら、子どもたちがジャングルジムのように登ってしまうようになったんですけどね(笑)
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造り付けの飾り棚ともマッチしているダイニングセット【CHIME】

―色の統一感などは、どのようにご相談されたのでしょうか?

顕子さん
床を天然木のフローリングにしたいという気持ちがあったので、それに合うベーシックなカラーをシーズさん考えてもらい、グレー系で統一感を出すというご提案をいただきました。
泰弘さん
ご夫妻にヒアリングしていくと、灰色や黒系のラスティック(粗く古びた風合い)なテイストがお好みのようだったので、グレー系で揃えました。まずはシステムキッチンを決め、それに併せて木の表情が出るところにはグレーの線材を組み合わせていきました。そんな最中にARUNAi さんのダイニングセットがモニター募集をしていると聞きつけ、スケール感もフォルムもこの空間にぴったりだったので申し込んだわけです。ダイニングチェアの張地の色も偶然グレーだったので、まさに打って付けでした。ただし、木の色調はすべてを統一しているわけではありません。たとえばダイニングから格子越しに見えるリビングのテレビボードは、奥行き感を演出するために少し赤味を加えています。フローリングに合わせてベースは決めつつ、バリエーションを持たせる感覚ですね。このテーブルの色もその中でうまく馴染んでいると思います。
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天板の下側にテーパー加工を施した、浮遊感のあるデザイン

―竣工から半年、ARUNAiのダイニングセット【CHIME】を実際に使ってみていかがでしょうか?

寺西さん
とても使いやすいし、しっかりしていますし、デザインも軽やかですね。「シャープ過ぎないシャープさ」があって、見飽きないですね。
顕子さん
子どもたちが小さいのでよく食べこぼしをするんですが、椅子をテーブルに上げてお掃除ロボットで一気に掃除できてしまうのが主婦としては助かっています。ひじ掛けがないので、逆さにしてテーブルの上に置きやすいんです。
泰弘さん
私は初めに見たときから好みのデザインでした、特に天板の裏側を斜めに削って、浮いたエッジにしているところは、私のデザインの感覚とも、この家の設計の方向性ともピッタリ合うなぁと感じていました。
治代さん
無垢材の天板の厚みをそのまま見せるやり方もありますが、「CHIME」はエッジを斜めにカットすることで薄くてスマートな印象になっています。ダイニングチェアの背板から脚にかけて少し前傾させて安定感を出していますが、背中の当たるところのクッションはしっかり厚く、背中を自然に支えるようになっています。姿勢が正しくなるような気がします。
寺西さん
シーズさんが全体をコーディネートしてくださったおかけで、テーブルもチェアも、色調や風合いが全体の中に自然に溶け込んで、とても落ち着きますね。二階のフロア全体の中によく馴染んでいると思います。
泰弘さん
そう言っていただけると、がんばってプレゼンしてモニター提供を受けた甲斐がありますね。
寺西さん
子どもが大きくなっても2階を皆が集まる場所にしたくて、ストレスなく過ごせる広さと開放感が欲しいというのが第一の希望でした。このダイニングセットがその中心としての役割を果たしてくれています。実際、子どもたちは3階の子ども部屋にはほとんど上がらずにずっと2階に居て、私の書斎にと考えていた2階のセカンドリビングが遊び場所に取られてしまいました(笑) でも中学生くらいまでは、このままでもいいのかもしれませんね。
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施主さんご家族と、シーズ・アーキスタディオの白崎泰弘さん(右から二番目)・白崎治代さん(一番右)


※インタビューは2022年時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。
※2024年現在、【CHIME】は生産中止となっております。

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色・素材・質感、形・収まり、LEDスポット照明や間接照明を採用する「光」などをご要望に合わせて選べる壁面収納家具に加え、“ARUNAi Composite”のダイニングテーブルやチェア、ソファ、テレビボードなども多数取り揃え、シーンごとにトータルなインテリアのご提案が出来るよう展示しています。