ヨーロッパの住空間創造に欠かせないアイテムとして長い伝統を持つ、家具・建具用の精密な金物づくりの文化。その精神を現代に引き継ぐ1923年創業のドイツの金物ブランド「Häfele(ハーフェレ)」は、OZONE 7Fの【ハーフェレ ジャパン新宿ショールーム】を運営しています。
イタリアのミラノで3年振りに開催された『ミラノサローネ国際家具見本市』および『ユーロクッチーナ国際キッチン見本市』(2022年6月7日~12日)の報告会が、ハーフェレジャパンの主催により、開催されました。
金物や収納パーツから見たキッチンの最新トレンドを、株式会社ハーフェレジャパン営業部長 鈴木誠吾氏が詳細にレポート。
ほか、ハーフェレ本社と同じドイツ南部のナゴルドに本拠を構え、本年度のミラノサローネにも出展されたドイツの高級家具ブランド「ROLF BENZ (ロルフベンツ)」セールスマネージャー日本代表 浮田京氏がゲストスピーカーとして登壇。家具メーカーならではの視点からの最新トレンド報告も併せて行われました。当日の様子から、その概要をご紹介します。
―『ミラノサローネ2022』トレンドレポート(ロルフベンツ 浮田氏)
まず、『変化するライフスタイルから見える最新の家具トレンド』というテーマで登壇されたのはロルフベンツのセールスマネージャー日本代表 浮田京氏。世界的パンデミックの影響で3年ぶりの開催となった今回の『ミラノサローネ2022』のキーワードは「サスティナビリティ」。世界中で家の中で過ごす時間が増え、そのスタイルも多様化する中、各国の出展社ごとに様々な切り口から、生活環境における持続可能性の見直しが図られていた印象です。
無垢材や天然繊維、石材等の天然素材の復権やリサイクル素材・リユース素材の活用、ホームオフィス用やアウトドア家具とそのコーディネート、インドア/アウトドアの境界をあえて曖昧にし、両者をシームレスに扱うレイアウトなど、ウィズコロナ/アフターコロナを見据えた価値観が反映されたライフスタイル提案が目立っていました。また、モジュラータイプ、変形タイプなど、レイアウトの変更ができたり多目的に使うことのできるフレキシブルなデザインの家具が、ひときわ注目を集めていたそうです。
そしてカラートレンドに関しても、ゴールドやブラス(真鍮)などのきらびやかな色づかいは鳴りを潜め、エレガントなグリーンやダークブラウン、スモーキーなペールカラーなど、アースカラー/オータムカラーを提案するブースが目立ちました。
―『ユーロクッチーナ2022』トレンドレポート(ハーフェレジャパン 鈴木氏)
次に『金物から見たユーロクッチーナ最新トレンドレポート』をテーマに登壇されたのは、ハーフェレジャパン営業部長 鈴木誠吾氏。ミラノサローネとともに隔年開催されている国際キッチン見本市『ユーロクッチーナ』の最新トレンドを、金物専門メーカーであるハーフェレならではの審美眼で切り取った講演内容でした。
『ユーロクッチーナ2022』においても、やはりウィズコロナ/アフターコロナを見据えたライフスタイル提案が色濃く現れていたとのこと。閉ざされた狭い小部屋からキッチンを開放し、家庭の中心へと誘う「リビングキッチン」のスタイルや、リビング/ダイニング空間の中で、テレワークに対応するホームオフィスのスペースをどう確保するかの提案。そして、今後の大きなトレンドになるのが「アウトドアキッチン」の可能性です。パンデミックを経てのライフスタイルの変化は、キッチンを軸としたデザインの世界にも大きな変容をもたらしているそうです。
また、金物のトレンドとしては、近年のヨーロッパの家具デザイン界で大きな流れを作ってきた、取っ手のないプッシュオープン式の引き出し・扉が若干の減少に転じ、シンプルな手掛け式の開閉機構への回帰が見られました。また、スライド式の天板やテーブル自体が延伸する仕組みを持ったものが多くのブースで提案されていたそうです。
『ミラノサローネ2022』の講演内容でも触れられていた、変形機能を持ったフレキシブルなデザインの考え方と合致する傾向にあると言えるでしょう。
そのいずれもが、キッチン単独で完結するものではなく、インテリア全体との一体性・調和の創出に根差しているところも重要な動向です。
セミナー終了後は、7F【ハーフェレ ジャパン新宿ショールーム】で商品を見て触れながら、スタッフと参加者が交流を深めていました。
なお、ハーフェレジャパンでは、ドイツをはじめとしたヨーロッパの家具・建具金物、キッチンパーツやLED照明器具などが簡単に注文できる新サービス「ハーフェレオンライン」を開始しました。会員登録すれば、10,000点以上にもわたるハーフェレ製品が手軽に購入できるほか、ヨーロッパ家具界の最新事情など、さまざまな情報提供も受けられるということです。これまでハーフェレの金物商品やLED商品の購入ルートが見つからず、ご注文したくてもなかなか出来なかった方や、今すぐ商品が欲しいときに時間がかかって購入出来なかった方などは、ぜひご注目ください。
※2022年8月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。