リビングデザインセンターOZONE 3Fの「OZONEカタログライブラリー」に、東京ガス株式会社(以下「東京ガス」)による「内窓リフォーム」の展示が新たに加わりました。この展示では、内窓リフォームのメリットについてわかりやすく紹介しています。東京ガスはこれまで、都市ガスやガス機器等を通じて、ご家庭の省エネやCO2の削減に取り組んできました。そして、未来に向けてさらなるお客さまの課題解決に取り組むために、「脱炭素」、「最適化」、「レジリエンス」の価値を提供するソリューション事業ブランド「IGNITURE(イグニチャー)」を2023年に立ち上げました。「内窓リフォーム」はそのソリューションの一つであり、お客さまの暮らしをより快適にするとともに、脱炭素社会の実現にも貢献します。
この展示について、東京ガス株式会社設備ソリューション事業部 設備ソリューション技術グループの柴田凌兵氏と木内優里氏にお話を伺いました。

東京ガスが推進する「内窓リフォーム」導入住宅のイメージ
東京ガスが「省エネリフォーム」に注力するのは、なぜ?
―東京ガスが、なぜ「内窓リフォーム」なのか。多くの方がそこを疑問に感じると思うのですが、まずはその理由からお聞かせください。
柴田 現在、東京ガスグループ全体の事業の広がりはエネルギー分野だけに留まりません。ガス・電気の供給、住宅設備機器の販売から、暮らしに関する様々なサービスの提供まで、多岐に渡っています。弊社の強みを一つ挙げるとするなら、その事業の広がりを最大限に活かし、お客さまが抱える様々な課題に対するソリューションを、統合的・包括的・複合的に提案・提供できるということだと考えています。お客さまにも分かりやすい、その一つの切り口として、今回は省エネリフォームの一つである「内窓リフォーム」に注力しております。
木内 内窓リフォームは、既存の窓の内側にさらにもう一つ窓を設置するものですが、それだけでもさまざまな効果があります。東京ガスではそれを、①断熱効果、②結露軽減、③遮音効果、④UVカット、⑤侵入抑止効果、⑥経済性の「6つのメリット」としてご説明しています。熱効率の問題だけでなく、健康面や防犯性、建物や家具の耐久性なども含めた、複合的な効果が見込めます。
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内窓リフォームで得られるメリット
柴田 ただし、東京ガスが内窓そのものを製造しているわけではありません。東京ガスは、「内窓リフォーム」という、部屋の空間に対する総合的な改善ができるソリューションの提供を目指しています。たとえば、内窓の設置で断熱の効率を上げ、光熱費を抑えつつ、床暖房やガスファンヒーター、太陽光発電、蓄電池など、他の手法を複合的に組み合わせることで、さらに効率的な省エネを実現することが可能になります。こうした小さな積み重ねが、ひいては人類共通の目標である、脱炭素社会に少しでも近づく方法なのではないか、と考えています。
ソリューション事業ブランド「IGNITURE」

―脱炭素社会の実現までを視野に入れているということは、単純に「環境負荷削減のために内窓を取り付けましょう」というキャンペーンを行っているわけではなく、もっと大きな構想や枠組みの中に「内窓リフォーム」の推進が位置付けられているということでしょうか?
柴田 そういうことになります。この度、東京ガスでは、ソリューション事業ブランド「IGNITURE」を立ち上げました。IGNITUREでは、「脱炭素」、「最適化」、「レジリエンス」を提供していくべき「三つの価値」と定義しています。この三つの価値のすべてに関わってくる、いわば「IGNITURE」の三つの価値を体現するようなソリューションの1つが「省エネリフォーム」だと捉えています。
木内 省エネリフォーム以外には、2024年から取り扱いを始め、テレビCMなども展開している「IGNITURE蓄電池」という商材があります。蓄電池は、太陽光発電パネルと組み合わせて導入することで、電気代節約効果はもちろん、災害時・停電時の電源確保、生活維持などの多角的なソリューションとなることを目指しています。
柴田 「省エネリフォーム」は、基本的には一般家庭向けのソリューションですが、IGNITUREでは、「ご家庭」、「法人」、「地域・コミュニティ」というより広いお客さまを対象としています。IGNITUREで本格展開し始めているソリューションの1つが、ご家庭向けの「省エネリフォーム」というわけです。さらに、省エネリフォームの中でも特に注力しているのが、この「内窓」という商材になります。省エネリフォームのソリューションの高度化を図っていく中で、皮切り役として「内窓」を位置付けている、ということになりますね。

東京ガスのソリューション事業ブランド「IGNITURE」の狙い
内窓をきっかけとした「省エネリフォーム」とは?
柴田
「物」を売るのではなく、「価値」を提供するソリューション事業を志向しておりますので、商材としての「内窓」そのものをたくさん売ることを目標としているわけではありません。目指していることは、「リフォーム」そのものを変えていくことです。リフォームには、お客さまの生活に多くの負荷とストレスがかかります。「省エネ」は文字通り「エネルギーを省く」ことになりますが、私たちは、お客さまの手間や時間を省く、「省手間・省時間」、お客さまにとってのあらゆる不便・不都合を取り除く「省“不”」の、三段階の「省く」を経て、そうした負荷の多いリフォームの現状を、よりスムーズで快適なものに変えていきたいと考えています。
「省エネリフォーム」に着目したのは、コロナ禍を経て暮らし方や働き方の大きな変化が背景にあります。在宅時間の増加やワーク・ライフ・バランスの変化、それに伴う住環境の快適さへの意識が高まりました。また、新築住宅着工戸数の頭打ちとリフォーム市場規模の拡大という住宅建設に関わる産業構造の変化、「住宅省エネキャンペーン」や「先進的窓リノベ事業」など、高い省エネ性能を持つ設備や機器の導入に対する国や地方自治体の補助金制度の充実なども着目した理由にあります。多くのご家庭にとって「リフォーム」は、以前よりもずっと大きな関心事になっている今だからこそ、「省エネリフォーム」がIGNITUREを体現するソリューションの一つだと考えています。
木内 これからの展望として、お客さまからの様々な相談内容にフレキシブルに対応できるようになりたい、という思いがあります。現在も、東京ガスグループのリアル店舗でのご提案、東京ガスグループのウェブサイトでのご提案など、お客さまに応じて入り口を複数設けるようにしておりますが、場合によってはまずどこに相談したらいいのかが分かりにくくなっている側面も認識しております。「省“不”」のための理想形としては、どのような窓口からも、どのような相談が受けられる→どこの窓口でも、色々な相談ができる……。たとえば、「給湯器と内窓をリフォームしたい」、「機器の修理と交換、どちらにすべきか相談したい」、「毎月の光熱費をもっと安くしたい」など、多様なお困りごとをフレキシブルに解決できるようにしていきたいと感じています。ウェブサイトのUX(ユーザー・エクスペリエンス)・ UI(ユーザー・インターフェイス)も全グループ統一的な展開にして、リフォームに関するあらゆる依頼・問合せが、分かりやすく、かつ、ワンストップで受け付けられる仕組みづくりも検討しています。


OZONEカタログライブラリー「ピックアップギャラリー」での東京ガス「内窓リフォーム」の展示。日射熱に見立てたハロゲンランプの熱が、内窓によって大幅に軽減される様子を肌で感じることができる体感型の展示になっている。
―東京ガスとしての「省エネリフォーム」の次なる一手としては、どんなものが控えているのでしょうか?
木内 「物」を売るのではなく、「価値」を提供するソリューション事業ですので、省エネリフォームとして取り扱う商材を次々に増やしていく方向に加えて、お客さまの体験を高度化してよりご満足いただける仕組みの充実を図ることをより大切にしたいと考えています。先ほどの「省“不”」の話のように、お客さまにとって、より分かりやすく、使いやすいものに仕上げることを第一に考えていきたいですね。
―皆様も、まずはOZONEに展示されている内窓のサンプルで日射熱の入り方の違いを体感するところから始めて、IGNITUREが描く未来の姿に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
※2025年1月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。
東京ガスのソリューションブランド「IGNITURE」(ロング篇)
東京ガスCM「IGNITURE/The Wall」篇(60秒)