銘木を丸太で仕入れ、製材、製造、販売、メンテナンスまでを自社で一貫して手掛けることを通じて、「世界にひとつしかない一枚板テーブル」のぬくもりを届けようというブランド「Atelier MOKUBA」。リビングデザインセンターOZONE 5Fの【関家具 Atelier MOKUBA 新宿ギャラリー】は、常時200枚以上の一枚板が展示されている、関東最大級の一枚板家具専門店です。その母体である株式会社関家具は、福岡県の家具の産地 大川市にある家具・インテリア用品卸販売会社。Atelier MOKUBAが一枚板テーブルに注ぐ情熱とこだわりについて、株式会社関家具 木馬事業部 新宿ギャラリーの吉永佳樹さんにお話しを伺いました。

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リビングデザインセンターOZONE 5F【関家具 Atelier MOKUBA 新宿ギャラリー】

―丸太の状態から完成品を見極める目と、大川の「地の利」

「原木を丸太の状態で仕入れ、どの位置にどの角度で鋸を入れれば美しい木目が出るか、テーブルとして使いやすい形が取れるか…… 木材を見極めるこうした経験と感覚を原点と考え、そこから一貫した体制で製品を作っています。そのためには海運ルート、製材設備、2~10年の時間をかけて材を乾燥させることのできる場所などが必要です。それを確保できる大川という土地柄があればこその事業ですね。全国11か所のギャラリー※、ショップの店頭品、完成済み在庫品、乾燥中の材などをすべて含めた品揃えの総枚数は3万枚に達します。」(吉永)※2022年6月現在

南北アメリカやガボン、カメルーンなどのアフリカ諸国にまで社員自らが足を運び、製材した際の木目や色味の美しさを想定しながら、丸太の状態の木材をしっかり吟味して買い付ける。福岡港、大牟田市の三池港を経由して大川に運び入れた後、テーブルとして最も適した形に自社の製材設備で鋸を入れ、反りや割れを防ぐため納得のいく時間をかけて乾燥を行う。
Atelier MOKUBAが目指す、世界に一枚しかない「ぬくもり」を届けるには、こうした妥協のない姿勢と、それを実現できる大川の地の利が欠かせません。自然乾燥の後、熱と圧力で材の反りや水分量を最終補正する「高周波プレス機」や、最大で長さ12m、幅135cmの材の表面を削ることのできる「バーチカルミーリングマシン」など、希少かつ巨大な製材設備を一か所に集約して確保していることも、関家具グループの強みです。

「一貫した生産体制があるからこそ、ご購入いただいた後の再塗装、削り直し、切り直しなどのアフターメンテナンスにも万全を期すことができます。職人たちも皆、すべての工程に責任を持てる体制に誇りを持って仕事をしています。」(吉永)

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左:海外にも足を運び丸太の状態で買い付ける。
右:大川で製材し、含水量を計算しながら2~10年の歳月をかけて自然乾燥させる。

一枚板テーブルというと、一昔前には「民芸風」「山小屋風」といったワイルドさや、和のイメージがつきまとっていたもの。Atelier MOKUBAは、それらのイメージを打ち破るかのような極めてモダンなデザインを打ち出しています。それを象徴するのが、テーブルと組み合わせる「脚」や「椅子」のコーディネートの考え方です。

「ご自宅のリビングやダイニング、マンションのフローリングの部屋に置きたいというお客様が多く、現在の住環境に合わせた足元がスッキリしたスタイリッシュでモダンなデザインの脚部が好まれる傾向です。一枚板自体は和風のテイストとイメージされがちですが、一枚板の魅力はそれだけに留まらないことをアピールしたいので、あえてモダンな方向性の脚部を多く取り揃えています。用意しているのはスチール、鉄、アクリル、木材などで形状も多種多様です。椅子も同様に、母体である関家具のコネクションを活かしながら、様々なメーカーの製品や専用品の発注など、弊社製品以外の豊富なラインナップも含めてご提案しています。」(吉永)

―希少樹種の保護と活用のバランス ~ 新素材「レジン」とのコラボレーション

では、一枚板テーブルとしてはどのような樹種の木材に人気があるのでしょうか。

「アメリカ材ではブラックウォールナット、ブラックチェリー、アフリカ材ではブビンガ、パドック、ベリ、国産材だとトチノキやクスなどが代表的な樹種になります。お部屋がグッと落ち着いた雰囲気になるブラックウォールナットや、逆に明るくスッキリした雰囲気になるトチノキなどが人気の樹種ですね。樹種によっては希少なものも多くなっていて、トチノキも近年は丸太で仕入れるのが難しくなってきています。屋久杉などはその代表で、屋久島の標高500m以上に自生していること、樹齢1000年以上であることなど、厳しい条件をクリアしないと「屋久杉」と呼ぶことはできません。また、自然保護の観点から伐採も倒木の売買もすべて終了しているので、すでに材として保管されているもの以外は商品にすることができません。輸入材ですと、以前は高級木材の代名詞だったチークやマホガニーなども伐採や売買が厳しく規制されていて、テーブルになるような大きさの材の入手は容易ではありません。生態系保全のためには必要な処置なので、私たちはそのルールの中で最大限、一枚板の素晴らしさを訴えかけていきたいと思っています。」(吉永)

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左:ブラックウォールナットのテーブル 納品事例
右:トチノキのテーブル 納品事例

希少樹種の保護と活用のバランスの中で、刻々と時代の様相が変わっていく「銘木」の世界。そうした情勢を踏まえたうえで、Atelier MOKUBAは新たな魅力の創出にも積極的に取り組んでいます。

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人工樹脂レジンとの組み合わせで新たなイメージの創出にも挑戦している。

「弊社が力を入れているのが、人工樹脂“レジン”と組み合わせて作るテーブルです。節や割れ、洞(うろ)があるなど、そのままでは使用に適さない材であっても、透明度の高いレジンを充填することで、普段は見ることのできない木の味わいや個性を活かしたテーブルに仕上げることを目指した製品です。モダンなデザインを志向するお客様にもご好評をいただいています。木材だけでなくレジン加工の技術と職人の育成にも力を入れていて、透明度を維持するため、以前は8層の工程を経て流し込みを行っていたんですが、粘度や硬化速度の研究を重ね、現在ではそれを3層の工程で完了できるようになっています。ことレジンの透明度にかけては日本随一の品質と自信を持っています。」(吉永)

―新商品「バストゥーンウォールナット」の一枚板

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バストゥーンウォールナットの一枚板テーブル

Atelier MOKUBAが今、注目してほしい新商品として推薦し、現在、【関家具 Atelier MOKUBA 新宿ギャラリー】にも展示中の品が、“バストゥーンウォールナット”という希少な木材を使った、表情豊かな木目を持つ一枚板テーブルです。

「アメリカ産の“ブラックウォールナット”にヨーロッパ産の“イングリッシュウォールナット”を接ぎ木して生まれたものを“クラロウォールナット”と呼びます。それに対して、さらに“イングリッシュウォールナット”をもう一度交配させることで生まれるのが“バストゥーンウォールナット”です。交配の際に拒絶反応を起こすので、個性的で美しい木目が表れます。本来はよりおいしいクルミにする品種改良のために接ぎ木や交配を行っているものなので、テーブルにできる大きさまで育っているもの自体が少なく、とても希少な材になります。」(吉永)

数百年から数千年のという途方もない時間の積み重ねの上に、さらに人間の知恵と情熱を加えて完成する銘木の一枚板テーブルという世界。【関家具 Atelier MOKUBA 新宿ギャラリー】には、そうした濃密な時間が流れています。その中から、ご自宅やお部屋、そしてお客様の感性に合う運命の一枚を探し当てていただくため、スタッフが全力でサポートしています。自分だけの「ぬくもり」の形に出逢いに、ぜひ訪れてみて下さい。

―メーカーよりメッセージ

一枚板は元々何百年という年月をかけて育ってきた木から作られている世界で一つだけの家具となっており、家具を買うというよりも一つ一つ個性が違う家族を迎え入れてもらうといった感覚で選んでいただけるよう、弊社では多種多様な種類、大きさの一枚板をスタッフが一枚一枚、ご納得いただけるまでご案内させていただきます。
これから先、世代を渡っても同じ時間を過ごして頂ける大切な家族を一緒にお探しいただけますと幸いです。
お気になることがあればいつでも弊社までお問い合わせください。
:株式会社関家具木馬事業部 新宿ギャラリー 吉永佳樹さん

※文中敬称略


※2022年6月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。

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関家具 Atelier MOKUBA 新宿ギャラリー

館内ショールーム

世界の銘木およそ40種類、常時約150枚以上の一枚板を展示しています。太の製材から乾燥、塗装などの工程はすべて福岡・大川の自社工房にて行っており、職人の魂と技術が凝縮された一枚板を取り揃えています。