明治10年(1877年)に山梨県で創業し、以来140余年にわたって南アルプスの麓でその技術に磨きをかけてきた国内屈指の老舗総合家具メーカー:内藤家具インテリア工業株式会社。各種住宅メーカーへのビルトイン収納家具のOEM生産で培った経験を元に、オリジナルブランド「ARUNAi」を立ち上げたのは2010年のこと。そして2022年は、壁面収納中心であったラインナップを大きく拡大し、リビングデザインセンターOZONE 6Fの【ARUNAi 東京ショールーム】も2月に増床リニューアルオープンするなど、新たなフェーズに歩みを進めようとしています。ARUNAi OB営業推進グループ課長:小松正和さんに、「ARUNAi」ブランドとその新戦略についてお話しを伺いました。
―壁面収納家具のエキスパート
「弊社は、戦後すぐの進駐軍の大量発注から住宅用木製家具市場に本格参入しましたが、1970年代には住宅メーカーの要請を受け、内装家具のOEM(製造受託)生産主体に業態を転換しました。元々は山梨県でも古参の建設会社だった内藤工業所が母体で、住宅建設業と家具製造業の両方のノウハウを持っていたので、その中間領域ともいえるビルトインタイプの内装家具は、腕の揮い甲斐があったということでしょう。その後の40年間の積み重ねを経て、今一度、一般向け家具の世界を追求しようと始めたのが「ARUNAi」ブランドです。住宅メーカーとの経験を踏まえ、ビルトインタイプの壁面収納家具を得意分野としています。OEM生産の場合、住宅メーカーへの納品になるのでお客様との接点が見えづらいのですが、ARUNAi製品は、お客様の要望を聞き取る打ち合わせから設計・製造はもちろん、現場での施工も自社で行う体制ですので、常にお客様と直接向き合う仕事になります。」(小松さん)
壁面収納家具は、いわゆる“造り付け”の家具なので製作はほぼオーダーメイド。そのため、ARUNAiでは、ユーザーの要望を細大漏らさず掬い取るため、極めてシステマチックなオーダーシステムを開発しています。
「まずは “3つのステージ”と“8つのステップ”という枠組みでお客様の要望を把握し、設計に反映していきます。
Stage 1 “FUNCTION -機能-” として、「耐震安全性能」、「寸法・機能選択」、「配線計画」の3ステップ
Stage 2 “DESIGN -意匠-” として、「フラットデザイン」、「グリッド設計・厚みデザイン」、「木目通し」の3ステップ
Stage 3 “STYLE -スタイル-” として、「異素材コーディネート」、「壁面/空間スタイリング」の2ステップ
このような計8つのステップを辿りながら選択の幅を提示していきます。木はもちろんガラス、大理石、セラミック、合皮などの豊富な面材や、色・樹種・照明の有無などの細かなカスタマイズ、1mm単位でのサイズオーダーも可能な体制のもと、さらに“素材、色彩、質感、形、光、動き”という6つの構成要素からディテールのスタイリングを行い、お客様の理想像に完成品を近づけていく仕組みになっています。」(小松さん)
ぼんやりとした理想像や憧れはあっても細かい部分まではなかなかイメージしにくい… プランを詰めていく際、何が必要で、どう準備していくべきか… など、壁面システム収納という大きな案件を前に、不安を抱える一般ユーザーは多いはず。そこに具体的な道筋を提示し、何をどの順番で決めていけばよいのか、色や素材の選択の幅はどこまでか、などを明確に伝えることで、こうした戸惑いをできる限り解消していく。ARUNAiのオーダーシステムには、長い経験によって培われた技術と知見を駆使し、ユーザーの気持ちと向き合う真摯な姿勢が感じられます。
―“ARUNAi Composite”の誕生
そのARUNAiが今年を機に大きく舵を切り、新しい領域へと漕ぎ出しました。ブランド立ち上げから約10年を経てどのような進化を目指しているのでしょうか。
「ビルトインタイプの壁面収納中心のARUNAiでしたが、この度、ダイニングテーブルやチェア、ソファ、テレビボードなどのいわゆる脚物家具を扱うサブブランドを立ち上げました。それが“ARUNAi Composite”です。ARUNAiでリビングやダイニングの壁面収納を受注した際、お客様から「この収納とコーディネートできるテーブルやソファはないんですか?」と尋ねられることも多くなり、社内でも、見本市や住宅フェア、ショールームなどでリビングやダイニングの設えをする場合、他社のテーブルやソファを借りて来ざるを得ないという状況を歯がゆく思っていました。そうした声に自社の中でしっかりお応えできるような形に体制を拡大しようということになりました。おかげさまで壁面収納の売り上げは年々上がってきていますので、その先にある脚物家具の構成比も上げていきたいと考えています。」(小松さん)
このような声や要望が集まってくるというのも、ARUNAiがブランドとして成長してきた証であり、取り扱い商品の拡大は必然といえるのかもしれません。
―壁面家具のスケール感にフィットする脚物家具を
新たに始動した“ARUNAi Composite”。そのラインナップの中でも、特にダイニングテーブル&チェアのセットへの注目度が高いとのことです。
「“ARUNAi Composite”のテーブルの特徴として、天板に施しているテーパー加工があります。特にダイニングテーブルのように大きくて長いテーブルの場合、強度を確保するため、ある程度の厚みが必要なんですが、その厚くて重そうな印象を軽くやわらげ、よりスタイリッシュに見せるためのデザインです。ARUNAiではこれまで壁面収納を取り扱ってきたので、長辺が2~3mに及ぶ大型家具を納めることが普通でした。そのスケール感に合わせたダイニングテーブルというと、かなり大きなものになってきますので、こうした工夫も必要になってきます。この“LOL(エルオーエル)”などは、天板の表面は耐熱やキズに強いセラミック素材で出来ていますが、このスタイルがご好評いただいていてお問い合わせも増えてきています。」(小松さん)
「また、薄型テレビが普及し始めて10年を超え、据え置きではなく壁掛けで設置する方も増えてきました。オーディオ・ビジュアル機器の減少や小型化、赤外線リモコンからBluetoothリモコンへの移行など、テレビを巡る環境も刻々と変化していますので、それにつれてテレビボードという家具の形態や、リビングでの存在意義も変化しつつあります。近年では、むしろ書斎や寝室、クローゼットなど、よりプライベートな空間の充実を求めるお客様が増えてきているようにも感じます。そうしたライフスタイルの変化にも敏感に対応してきたいですね。」(小松さん)
―トータルコーディネートを目標に
ソファやベッド、ファブリックや張地の世界など、新たな挑戦となる領域も多く、まだまだ勉強することが多いと語る小松さん。しかし少しずつその成果も見え始めているとのこと。
「壁面収納家具はほぼオーダーメイドなので、住宅の新築や大規模リフォームを予定している方など、アピールできるお客様が限られてしまいます。しかし脚物家具は、賃貸住宅に住まわれている方を含め、どんなご家庭でも、どんなタイミングでも興味を持っていただける可能性があるわけです。弊社としてはターゲットを大きく広げることにつながるのではと期待しています。「LOL」のような、弊社ならではの特徴を持った商品を充実させて、道を拓いていきたいですね。実際、“ARUNAi Composite”立ち上げから半年ほど経ちましたが、徐々に販売実績も上がってきています。最終的には脚物家具から収納家具まで、住宅家具のトータルコーディネートができるブランドにARUNAi全体を育てていきたいという気持ちがあります。」(小松さん)
「住宅」と「家具」という二つの領域を見つめ続けてきた内藤家具インテリア工業の経験、その中間領域である壁面収納家具を極めようという“ARUNAi”ブランドの思想、そしてそれらのトータルコーディネートのための必然として誕生した“ARUNAi Composite”。キャッチコピーにある、「心の中に “ある” イメージが 何も “ない” 空間を あなただけの世界に変える」。この感動をユーザーに届けるため、140余年の歴史の最先端でARUNAiの挑戦は続きます。
―ショールームよりメッセージ
ARUNAi東京ショールームでは、増設リニューアル後、収納家具だけではなくソファ、ダイニングセットなどを新発売して、シーンごとにトータルのインテリアを提案できるよう展示しております。面材も突板以外の異素材も提案できるよう多数ご用意しています。サイズ感や面材については実際に手で触れてその質感をお確かめください。ショールームは自由にご覧いただくことができます。お打合せは事前予約制で、ご予約は電話またはARUNAi東京ショールームのホームページよりお願いします。:ARUNAi OB営業推進グループ課長:小松正和さん
【ARUNAi 公式サイト】
収納家具をメインにご紹介する公式サイト「ARUNAi
」
テーブル、チェア、ソファ等の家具をメインにご紹介する公式サイト「ARUNAi Composite」
【ARUNAi運営会社 公式サイト】
内藤家具インテリア工業株式会社
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⼈気商品が⽣まれた舞台裏をメーカー担当者にインタビュー。モノづくりのこだわりや、開発への思いなどをお届けします。
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※2022年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。