夜が長くなる季節、夕方から眠りにつくまでの間、明かりを灯して静かな時間を過ごしませんか。
今の住まいに、明かりを効果的に取り入れることで、落ち着いた秋らしい空間に仕上がります。
就寝前に明かりを眺めるひとときが、疲れを癒してくれ、リラックスできる効果も。
そこで今回は、くつろぎの空間をつくる明かりの選び方や、配置の仕方をOZONEのインテリアデザイナーがご案内します。
― 夕方の光を再現することで、くつろぎの空間に
照明選びのポイントは2つ。ひとつめは、目線の高さより下に配置することです。
活動的に過ごす昼間は、太陽の白い光が高い位置にありますが、夕方の落ち着いた時間帯になると赤い夕日が低い位置に見えます。
そのため、住まいの照明も昼の光でなく、夕方の光の色や高さを再現することで、静かなくつろぎの空間を演出できます。
例えば、フロアスタンドなら120~160cm位まで、ペンダント照明はテーブルから50~60cm位の高さまで下ろしましょう。
テーブルランプの場合、テーブルが40~50cmならランプは50~60cm程度に。
床から1mと少し位の高さが、目線下の高さとなるので、明かり選びの際にご参考にしてください。
― 配置のポイントは「明かりだまり」をつくること
次に、お部屋の中に照明をどのように配置するのか、悩みどころですよね。
照明選びのもうひとつのポイントは、全体を照らすのではなく、「明かりだまり」を複数つくること。
明かりのスポットをいくつかつくり、部屋全体にバランスよく配置します。このとき、部屋の中に特定の暗いエリアをつくらないようにすることが大切。
「ここだけ何だか暗いな」と思ったり、明暗がはっきりし過ぎている場所があれば、そこに明かりを足していきます。特に決まったルールはなく、感覚に任せて大丈夫です。
ただ、明かりだまり同士は少し離して、つながってしまわないように配置しましょう。
今、リビングにペンダントライトとスタンドはあるというご家庭は多いかもしれません。そこから、暗くなる所に、明かりを目線下になるように足していくのですが、場所としてはアートの横、サイドテーブルの上などがおすすめです。
そうした明かりだまりによって、自然と暗い部分も生まれて空間に陰影ができ、雰囲気のあるお部屋に仕上がります。
― 今から始める、明かりを楽しむ暮らし
北欧では、家にいる時間をより快適にするために、明かりやグリーンを積極的に取り入れていて、明かりは照らす道具というより、楽しむためのものになっています。
キャンドルの炎を眺めたり、寝る前のリラックスタイムに灯したり、暮らしにゆとりをもたらしてくれる存在といえます。
そんな北欧の暮らし方をヒントに、今の住まいに明かりを取り入れてみませんか。
忙しい毎日の中でも、寝る前の数十分、明かりを楽しむ時間をつくることで、心身がリラックスできるはずです。
例えば、お風呂に入った後、寝室のスタンドライトをあらかじめつけておくことで、寝室を覗いた時に、ぽっと明かりがついていて気持ちが落ち着きます。
本を読むために照らすのではなく、寝る前の準備として明かりをつけ、だんだん暗くしていくことがポイント。
いくつも取り入れるのはハードルが高いという時には、自分がよくいる場所のそばや、ダイニングからリビングを見た時の目線の所などのよく見る所に1つ置くのがおすすめ。楽しむための明かりなので、眺められる場所に置くことが大切です。
持ち運びできるポータブルライトも、手軽に取り入れられて便利。ベランダに明かりとブランケットを持ち出して、秋の夜長を過ごすのもいいですね。
また、すでにダウンライトやシーリングライトが備えつけてあるお宅の場合は、一度すべてオフにしてから、「明かりだまり」をつくっていくと良いと思います。
小さなお子さんがいてなかなか時間がとれないという方も、お子さんが寝てから5~10分でも明かりを楽しむことで、気持ちのリセットができるはず。
明かりを1つ1つ、つけて消していく作業は、オンとオフの切り替えにもなり、暮らしにゆとりをもたらしてくれます。
今ある空間に明かりをプラスして、心地よい、秋仕様のお部屋へと模様替えしませんか?
OZONEインテリアデザイナー:志村文子
大手住宅メーカーコーディネーターを経て、現在はリビングデザインセンターOZONE「OZONE家design」にて、リフォームやインテリアを担当する。
モデルルームや個人住宅を中心にインテリアコーディネートやリフォームを手掛ける一方、住まいづくりに関するアドバイスやセミナーの講師活動も行う。
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※2023年10月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。