インテリアからはじめる、SDGs
~わたしのサス活~

持続可能な未来に向けて、部屋づくりからサステナブルな活動を始めませんか。
アップサイクル素材で作られた家具や、自然素材の壁紙など、
環境と人に配慮しながら、デザイン性にも優れたアイテムをセレクトしました。
少しずつ、できることから取り入れて、自分らしいインテリアコーディネートをお楽しみください。

― ミラノサローネでも注目のサステナブルインテリア。デザインで選べるのも魅力。

インテリア業界では、新たなデザインとサステナビリティが両⽴した未来に向けてさまざまな取り組みが進んでいます。
今年4月にイタリアで開催された国際家具見本市「ミラノサローネ」でも、世界的なデザイナーがリサイクル素材から制作した作品や、⽪のなめしに廃棄オリーブオイルを使用するなど廃棄材再利⽤への新たなチャレンジ、さらに建材廃棄のない会場づくりをしているメーカーもありました。

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家庭からリサイクルされたプラスチックが原料のスツール「ムーン スツール ミックスカラー(スカンジナビアンリビング)」。

また、丈夫でタイムレスな美しいデザインで、北欧の心地よいライフスタイルを伝え続ける「スカンジナビアンリビング」も、デザイン性に優れたサステナブルインテリアを発信しています。

鮮やかな虹色のカラーミックスのデザインが遊び心溢れるスツールは、家庭からリサイクルされたプラスチックが原料。
触り心地も良く、耐候性・耐久性・防水性に優れているため、お手入れも簡単です。
廃材そのものを生かしたアップサイクル素材を利用しているため、1点1点色や柄が異なるのもまた魅力に感じられます。

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ミッドセンチュリーのデザインを再生プラスチックにより蘇らせた
コレクション「Ocean Collection(スカンジナビアンリビング)」。

こちらは、1955年にヨルゲン&ナナ・ディッツェルがデザインしたチェアとテーブルを、再生プラスチックを使って蘇らせた、アウトドア家具コレクション「Ocean Collection」。
海洋プラスチックごみや廃棄漁網などのアップサイクル素材を使用することで、デンマークミッドセンチュリーのデザインを、新たなサステナブルデザインとして送り出しています。
パーツごとに分解できるため、すべての素材がリサイクル可能。耐久性に優れ、屋外で長く使えます。

環境や人に配慮しながら、ポップなデザインや名作家具の復刻など、デザイン性に優れたアイテムも数多く登場しているので、選ぶ楽しさがありますね。
これからもサステナブルインテリアは、デザイン、機能ともにますます進化していきそうです。

― 今注目のアップサイクル素材をファブリックに取り入れる。

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ファッション廃材を使用したファブリック
「BENU CHECK/フィッシュバッハ1819」。
(日本フィスバ株式会社

実際のサステナブルな部屋づくりの第一歩としては、ファブリックから取り入れるのがおすすめ。
まずはカーテンやソファ、クッションの素材を意識することから始めませんか。
ペットボトルやプラスチック製品から作られる「リサイクル繊維」も、フリース製品に使用されるなど身近になっている素材。インテリアでも、レースのカーテンやクッションの生地、ソファや椅子の張地など幅広く活用されています。

スイスのファブリックブランド「フィッシュバッハ1819(日本フィスバ株式会社)」は、2009年に世界で初めてリサイクルインテリアファブリクスを発表して以来、ペットボトル、ファッション業界からの廃棄繊維を再利用し、⾰新的なコレクションを発表し続けています。

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海洋性廃棄物から生まれた糸でハンドタフトした新世代のリサイクルカーペット。36種のカラーから選べる。
左:「Kibo80960」、右「elgon80950」/共にフィッシュバッハ1819。(日本フィスバ株式会社

フランスのブランド「ルリエーブル」や「メタフォール」(共に株式会社トミタ)は、原材料はヨーロッパ内のものを使⽤し、近隣で全て⽣産できる環境をつくることで、輸送時に排出されるCO2を最⼩限に抑える取り組みをしています。
さらに、⻑期的なCO2削減の目標を掲げ、農薬不使⽤のリネンや⾺の⽑など天然繊維で構成されたファブリックを推奨しています。

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CO2削減に取り組むフランスのブランドのファブリックアイテム。
左:「100%NATUREL/ルリエーブル」、右「LesBainsコレクション/メタフォール」。(共に株式会社トミタ

世界的に見ると、EUで未使用繊維の廃棄が禁止されるなど、繊維製品のリサイクルは盛んになっていますが、日本では半分以上の繊維製品が処分され、リサイクルされるのは1/4以下とも言われています。その理由は、天然繊維と化学繊維を掛け合わせた「混紡繊維」の製品が多く、リサイクルするには手間とコストがかかるためだそう。
混紡繊維は、丈夫で価格が抑えられるため人気ですが、これからは製造段階からリサイクルのことを考えていくことが必要なのかもしれませんね。

― 環境にやさしい日本古来の和紙や漆喰に、機能を加えた新しい壁材が登場。

家づくりをする際に、住まいの中で大きな面積を占める壁や床には、なるべくサステナブルな製品を選びたいという方も増えているようです。
壁材は今、安価で貼りやすい塩化ビニールクロスが一般的ですが、人や環境にもやさしい和紙や珪藻土、漆喰などの日本古来の壁材がまた見直されています。
自然素材で作られた昔ながらの壁は、使っている時はもちろん、廃棄されても環境にやさしく、まさにサステナブルと言えます。
ただ和紙は、通気性、耐久性に優れていますが、収縮するため重ね貼りをする必要があり、やや施⼯に⼿間がかかる⾯もあり、壁の⼀⾯などアクセントとして取り⼊れるのがおすすめです。
また、和紙の風合いを活かしながら、塩ビクロスのように施工しやすく、水拭きもできる「和紙クロス(からかみ屋 株式会社シノダ)」という製品も登場しています。柄も、ベーシックな無地から柄物まで豊富な種類があるので、壁紙選びの候補にいれてみてはいかがでしょうか。

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アクセント貼りにおすすめの和紙の壁紙。(株式会社サンゲツ

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新素材の「漆喰フリース」。(株式会社ナガイ)

クロス貼りではなく、塗装の仕上げが好みだけど高価だから・・と思っている方には新素材の「漆喰フリース(株式会社ナガイ)」がおすすめ。
壁紙用のフリース(不織布)に漆喰塗料を塗装したもので、漆喰が持つ脱臭性、抗菌性と、フリースの耐久性、透湿性を併せ持った機能的な壁材です。
本物の漆喰のような質感で、光が当たるとやわらかな印象になり、デザイン的に見ても空間の質が上がります。

― 床材は天然素材のコルクフローリングに再注目。

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ダイニングキッチンの床に、コルクフローリングを施工した事例。
(東亜コルク株式会社

床材で今注目されているのは、コルクフローリング。
コルクは「コルク樫」という木の樹皮で作られますが、コルク樫の樹皮は約9年ごとに再生されるため、1本の木から何度も採取することができる⾃然のエコロジー型資源です。

コルクフローリングは、トップコート仕上げによって水拭きもしやすく、フローリングのような⻑尺タイプやホワイトカラーなどがあります。
断熱性があり、素⾜でも歩⾏性がよく、⽣活⾳や衝撃を吸収するため寝室の床におすすめです。⾃然素材ゆえに⽇焼けしやすいという特性からも寝室にぴったり。
また⾜腰にもやさしく、防⽔性もあるため、⻑時間⽴ちっぱなしのキッチンにも向いています。

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コルクフローリングの特性から、寝室やキッチンの床に特におすすめ。(東亜コルク株式会社

サステナブルな社会とは、資源を⼤切に使い、地球環境に負荷をかけずに、⼈や社会が発展すること。そのためには、毎⽇の暮らしの中で、⼀⼈ひとりが意識し、⾏動に移すことが⼤切です。
インテリアに関しては、まずは永く使うために、今あるもののメンテナンスから始めてみてはいかがでしょうか。
新たに選ぶ際は、デザインや素材の確認に加え、制作背景や企業の取り組みなどにも着目してみてください。
インテリアにできる「サス活」は、選択肢がどんどん増えています。
今、自分にできることから始めてみませんか?


は、「OZONEカタログライブラリー」登録企業です。掲載商品については各社へお問合せください。
・日本フィスバ株式会社
・株式会社トミタ
・からかみ屋 株式会社シノダ
・株式会社サンゲツ
・東亜コルク株式会社

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OZONEインテリアデザイナー:志村文子

大手住宅メーカーコーディネーターを経て、現在はリビングデザインセンターOZONE「OZONE家design」にて、リフォームやインテリアを担当する。
個人住宅を中心にインテリアコーディネートやリフォームを手掛ける一方、住まいづくりに関するアドバイスやセミナーの講師活動も行う。

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※2024年11月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。

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