空間をこなれた印象に見せるタイルは
リノベーションとも相性抜群
窪川勝哉×SWANTILE東京ショールーム

雑誌やテレビで数々のインテリアスタイリングを手がけ、前川國男設計のテラスハウスをリノベーションした自身のアトリエも話題のインテリアスタイリスト、窪川勝哉さん。
今回は、窪川さんと一緒にOZONE7Fの「SWANTILE東京ショールーム」を訪れ、ショールームスタッフの今関さんにおすすめの商品についてお聞きしながら、タイルの魅力について語っていただきました。
窪川さんのご自宅のタイルを使った空間や、リノベーションでのタイルの取り入れ方もご紹介しますので、ぜひご覧ください。

焼きものならではの温もりのあるタイルは、レトロな空間になじみます

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― 窪川さんは、お仕事やご自宅でタイルは使われることはありますか?

窪川:僕自身タイルは好きで、仕事でタイル張りのスタジオを選ぶことはよくありますが、スタイリストという仕事柄、建材選びから関わることはあまりないので、タイルを扱う機会はほとんどないんです。
でも家では、キッチンの壁に使っていたり、建物が古くてユニットバスではなく在来工法の浴室なので、壁も浴槽もタイルです。
タイルは焼き物だから、ムラがあったりして温かみを感じるんですよね。
家づくりの際に、室内に緊張感を持たせたくないと思っているので、タイルを使うことで温かみのある空間をつくれる所が気に入っています。
もちろん、タイルを使ってモダンでクールな空間にもできると思いますが、僕としてはレトロな空間に使いやすいのが魅力ですね。

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― タイルに温かみを感じるというのは意外でした。

今関:タイルは自然素材の焼き物で、ひとつとして同じものがないので、確かに温かみを表現できると言えるかもしれません。
石のようにざらっとした質感のものもあれば、ツヤのあるグロッシーなものもあって、空間に合わせて自由に選べる建材だと思います。
SWANTILEでは、タイルに色付ける釉薬から自社で作っているので、さまざまな個性のあるタイルをご提供しています。

窪川:僕は古い建物が好きで、リノベーションでもタイルを使用していますが、タイルを張るだけで空間に表情が生まれて、こなれた感じを出せるんですよね。
例えば、水回りだけ新しくしたいという時も、タイルの力を借りることで、今急に出来上がった空間のように見えず、ずっとそこにあったように佇んでくれるんです。

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窪川さんが所有する3軒の住まいは、いずれも築70年ほどの家をリノベーションしたもの。自宅のキッチンの壁は、昔ながらの白い10cm角のタイルを張り、「元々あったキッチンをきれいに使い続けている」と錯覚させるように仕上げたのだそう。

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最近リノベーションした住まいは、あえて自分の傾向を外し、ウォームグレーのトーンでまとめて現代的な雰囲気にしたと言う窪川さん。キッチンカウンターの立ち上がりにグレーの長方形のタイルを使用し、上品な印象に仕上げています。

今注目の大判タイルから、ロングセラーの壁用タイルまで豊富に展示

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― タイルは改めて注目されている建材と言えそうですが、実際タイル業界の盛り上がりはいかがですか?

今関:「タイル」という名称に統一されて、2022年で100周年を迎えたこともあり、デザイナーや設計士の間で、改めてタイルに注目しようという流れがあります。
窪川さんのような思いを持ってタイルを使っていただいていると聞いてうれしいですね。
メーカーとしても、自然素材を焼成するからこそ生まれる味わいや、火にも水にも強い耐久性など、タイルの良さを伝えていきたいです。
インテリア用のモザイクタイルは変わらず人気がありますし、最近では大判のタイルが伸びている傾向があります。商業施設だけでなく、住宅の室内の床を海外のようなタイル張りにする方が増えているようです。

窪川: 最近、家を建てた友人でも、600mm角位の大判のタイルを床に張っているのを見かけます。
室内から屋外にかけてタイルを敷いて、空間に広がりを持たせる「アウトドアリビング」をつくる人も多いですよね。

今関: そうなんです。SWANTILEでも、屋内と屋外をつないでシームレスな空間に見せられるように、屋内用のマットタイプと屋外用にすべりにくい加工をしたグリップタイプを同じデザインで用意している商品もあります。
ショールームでは150種類以上の屋内外の床用・壁用タイルを展示しています。

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「レベリ」
古くからあるタイルの型を現代風に復刻。古き良き焼きもののアンティーク調仕上げが特徴で、ドラマのセットにも使用された人気のタイルです。

窪川: 「レベリ」はレトロな空間にぴったりですね。僕の実家は、山梨で50年以上続くレストランなんですが、まさにこういう雰囲気です。

今関: 「レベリ」は根強い人気があり、定番品としてずっと続いているデザインです。
SWANTILEの商品は、滅多に廃番になることがなく、さらに毎年スタッフが考案したものが新商品として発売されるので、種類はどんどん増えています。
トレンドに合わせて色を追加することもあり、最近はPinterestなどで海外のデザインを参考にされて青系・緑系のご要望が多いので、そういった色を追加しました。

窪川: 青系や緑系のカラーを、水回りのアクセントとして使うのも良さそうですね。

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「ビンテフーモ」
昔ながらのタイルの色むらを表現した、ロングセラーのタイル。さりげない個性が光るシンプルなデザインでお部屋の雰囲気を引き締めます。

窪川: 「ビンテフーモ」はすごくいいですね!
モダンな中にノスタルジーを感じられて、僕はこういうデザインが1番惹かれます。
自分の中のアーカイブにあるというか・・実家のレストランの腰壁がこれに似ているので、僕の原風景とも言えるのかもしれません。

今、前川國男建築のテラスハウスをリノベーションしてアトリエにしているんですが、前川氏が設計する建物にも、これによく似たレンガのような渋い色味のタイルを使っていますね。
結局、自分の好きなものの範囲って限られているんだなと感じます。

今関: 「ビンテフーモ」はショールームのカウンターの腰壁にも使用していて、注目されるお客様も多いですね。

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石の風合いを生かしたデザインや、汚れにくい高機能など個性的な床用タイルも

今関:ほかに、屋外床用タイルも、汚れ防止など機能性に優れたものや、個性的なデザインなどバラエティ豊かな商品をご用意しています。

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「アーベイン」
六角形の個性豊かなデザインが特徴の床用タイル。コンクリートのような風合いがお部屋をモダンな印象に仕上げます。

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「ヴェイル」
汚れが落ちやすく、掃除の手間がかからない高機能タイル「らくらくり〜ん」。陰影のあるデザインが空間に重厚感を与えます。

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「倭(やまと)」
日本で採掘され、各地方で馴染みのある石を忠実に再現したタイル。本物のような石の質感が、空間を優雅に彩ります。

窪川: 「倭」は石の表情がいいですね。
今、空間全体がウォームグレーやグレージュなど、ウォームトーンになってきているので、そうした空間によく合いそうです。

今関: 国産の石をスキャンして石の風合いを表現した商品なので、柄の数も豊富です。
石に比べて劣化もしづらく、本物の石が使えない場所にもお使いいただけます。

窪川: 本当の石は600×300のサイズが多いので、それに合わせたサイズなんですね。
僕だったらサニタリーの床と壁に使ってみたいですね。

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「ブルーローマ」
トルコで採掘された天然石をモチーフにした、SWANTILEいちおしのシリーズ。3D技術により筋の凹凸と柄を表現しています。

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「ヒマラヤ」
岩塩をモチーフにした大理石調の模様がインパクトのあるデザイン。部屋のアクセントとして、リビングのテレビの後ろなどおすすめです。

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窪川: 今はさまざまな面白いタイルがあるんですね。
僕は、床と壁と天井をつなげてタイルに囲まれた空間をつくってみたいですね。天井に張るのが難しければ、床と壁だけでも。
インテリアや小物もタイルを使って、だまし絵のような空間にするのも面白いですね。
次回の家づくりの構想が膨らみます。


スタッフの今関さんの説明を聞きながら、興味深くさまざまな商品に触れていた窪川さん。
ショールームでは、約150種類のタイルに実際に触れて、その魅力を体感できますので、ぜひご来館ください。

プロフィール

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インテリアスタイリスト&プロップスタイリスト 窪川勝哉(くぼかわ かつや)

インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深いインテリアスタイリスト。2002年の独立以来、インテリア&プロップスタイリストとしてテレビ番組などのインテリアコーナーや、雑誌のインテリアページのスタイリングを手掛ける。雑誌、TVなどのメディアでのスタイリングの他、ウインドウディスプレイやマンションのモデルルーム、イベントのデコレーションなども手掛ける。

窪川 勝哉ウェブサイト:窪川 勝哉|Interior&Prop Stylist

SWANTILE東京ショールーム

館内ショールーム

さまざまなシーンに適した、お客様の望むタイルをご紹介いたします。外装・内装の壁・床用のタイルをすべて現物にてご用意しており、住宅から店舗向けまで幅広く対応しています。また超よごれ防止機能付きタイル「らくらくり〜ん」の汚れ落ちの良さを実際に試していただけるコーナーも設置しております。

レトロな邸宅に最新家電が調和する 窪川勝哉さんの暮らしのたしなみ

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モダニズム建築の巨匠、前川國男設計のテラスハウスをリノベーションし、アトリエとして利用されている窪川勝哉さん。
アトリエ「白鷺住宅」のこだわりや、レトロな空間に最新家電を合わせるテクニック、さらに自邸に取り入れたい製品などについてお話を伺いましたので、どうぞご覧ください。

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※2025年2月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がございます。

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