OZONEの館内情報紙『OZONE PRESS vol.21』では、住まいを構成する上で
大切な要素となるマテリアル・素材を取り上げています。
ショールームに並ぶサンプルを前にどれを選べば良いのか迷ってしまう...。
判断できず、ついつい無難なものを選んでしまう前に、ちょっと考えてみませんか?
今回は素材に造詣が深い建築家の芦沢啓治さんに、素材選びから作る心地良い住まいについて伺いました。
「素材を良く知ることが大事」というお話、住まいのアイテムを選ぶ時の参考になりそうです。
住宅における壁や床、そして家具等のマテリアルは、料理においての食材と同じだと思う。
出来ればその素材の良さを引き出す形が望ましいし、組み合わせによっても全く異なる表情が現れるから、
そこも楽しみたい。
シェフが味を見ながら素材を吟味して調理していくように、私達も家を構成するマテリアルに
実際に触れて感じる事がとても大事だ。その感覚こそが空間をデザインする上で大切な要素になる。
さて、好きな材料をどうやって組み合わせるか。
私の場合、空間で使う材料を全て机の上に並べて考える。床材、壁、天井、家具の材料、
ラグやカーテンの材料、その空間を構成する全ての素材や色を並べてみる。
そしてどんな居心地になっているかを考える。その様子は、素材を並べて、
食べながら調理して新しいメニューを考えるシェフに近いと思う。
つまり、シェフになった気持ちで材料を探して、いい料理を作る気持ちで
居心地の良い空間について考えたらいいんじゃないかと思っている。
芦沢啓治(建築家)