本展示では、DIY本『杉でつくる家具』に収録されている24点の中から、作りやすく生活用品として長く使えることを一番に考えられた椅子やテーブルの実物をご紹介します。
『杉でつくる家具』は、1953年に活動を始めたKAKデザイングループ*1が手掛けたDIY指南書ともいえる「アイディアを生かした家庭の工作」の中から、木製家具だけに絞り、現代的にリメイクした書籍です。
オリジナルがデザインされた当時は、生活に必要なものは自分たちで作る時代-日曜大工は趣味ではなく、生活に欠かせない技術でした。昨今、若い世代を中心に住まいを自力で改装するセルフリノベーションが注目されていますが、家具を自作するのはハードルが高いものです。
『杉でつくる家具』は、加工がしやすい杉の板と、危険性が少ないノコギリを駆使することで、家具作りをもっと身近にしようという願いから出版されました。
会期中には書籍掲載のスツールを実際につくるワークショップも開催します。
自分で作るからこそ愛着がわくもの―ぜひこの機会に実物展示を通じて、真の豊かさについて考えてみませんか。
*1「KAKデザイングループ」…金子至、秋岡芳夫、河潤之介の3名のデザイナーにより、1953年東京・目黒に開設された工業デザイン事務所(現在は解散)。
※展示内容は変更になる場合がございます。
※やむを得ない事情により、中止または延期とさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
※画像はイメージです。
展示内容
《家具展示》- 筋交いが効いた2WAYスツール
- V字脚の背もたれ付き小椅子
- 挟み脚の丈夫なスツール
- ベニヤ板を使ったV字脚のティテーブル
- 軽くて美しいV字脚の作業馬
- V字脚のアームチェア
《パネル展示》
- 原著紹介
- 構造解説
- 道具紹介
グループ モノ・モノ
KAKデザイングループの中心人物である秋岡芳夫が1970年に結成したプロジェクトチーム。拠点は東京・中野にあるモノ・モノ。この指止まれ式の自由な組織で、手仕事の復興や地域活性に関わる活動を行ってきた。今回は『アイディアを生かした家庭の工作』(『杉でつくる家具』の原著)のリメイク版を制作するにあたり、菅村大全(企画)、大沼勇樹(家具製作)、笠原嘉人(テキスト監修)の3名を中心とするチームが結成された。
杉の木でつくる「スツール」づくり
展示「たしなみとしての日曜大工-1950年代のDIYデザインに学ぶ」に連動し、KAKデザイングループの代表的な『筋交いが効いた2WAYスツール』と『挟み脚の丈夫なスツール』を制作するワークショップを開催します。
日程:2025年2/1(土)、2/2/(日) 13:00~17:45(※休憩含む)